PlatformPayments Apps API

Payments Apps の mTLS
クライアント証明書が更新される

Shopify が「リクエスト元は本当に Shopify か」を証明するためのクライアント証明書を、2026 年 6 月 15 日から新しいものに切り替える。同じ認証局(CA)で署名されるため、標準的な mTLS 検証をしているアプリには影響なし。独自の証明書検証をしているアプリだけ、6/15 までに対応が必要。

このページの構成
  1. そもそも何が起きるのか(30秒で理解)
  2. 仕組み図解 : mTLS で何を検証しているか
  3. 2つの締切 : タイムライン
  4. 自分は対応が必要か : 判定フロー
  5. 対応が必要 / 不要のケース比較
  6. やるべきこと(カスタム検証の場合)
  7. 技術者が押さえるべき5つのポイント
  8. 業務に活かせる3つのユースケース
  9. 提案で使える1行サマリ

1そもそも何が起きるのか

Payments App は mTLS(相互 TLS)で、「いま叩いてきた相手は本当に Shopify か」をクライアント証明書で確認している。
その Shopify 側のクライアント証明書が 2026 年 6 月 15 日から新しいものに更新される。新証明書は今までと同じ認証局(CA)で署名されるため、標準的な検証なら何もしなくてよい。

標準 mTLS 検証なら : 影響なし

証明書が信頼する CA のチェーンに連なるかだけを見ているアプリは、CA が同じなので新証明書もそのまま通る。対応不要

カスタム検証なら : 要対応

証明書の Common Name(CN)など固有フィールドをチェックしているアプリは、6/15 までに新証明書を受け入れるよう検証ロジックを更新が必要。

2仕組み図解 : mTLS で何を検証しているか

認証局(CA) 新旧の証明書を同じ CA が署名 Shopify(クライアント) 旧クライアント証明書 新クライアント証明書 ① 証明書を提示してリクエスト Payments App(サーバ) ② 提示された証明書を検証 標準 : CA チェーンが正しいか 独自 : CN など固有フィールドも見る ③ 認証 OK = 相手は Shopify と確認 決済処理を続行
mTLS(相互 TLS)とは : 通常の TLS はサーバの正当性だけを確認するが、mTLS はクライアント側も証明書を提示して相互に身元を確認する方式。Payments App はこれを使って「叩いてきたのが本物の Shopify か」を検証している。
今回更新されるのは Shopify が提示するクライアント証明書。署名する CA は変わらないので、CA チェーンを見る標準検証なら新証明書も自動的に信頼される。

32つの締切 : タイムライン

現在 標準検証なら何もしなくてよい 2026年6月15日 新証明書に切替開始 / カスタム検証の対応期限 2026年7月24日 現行(旧)証明書が失効
6/15

新証明書の更新が始まる日

この日から Shopify は新しいクライアント証明書を使い始める。カスタム検証をしているアプリは、この日までに新証明書を受け入れられるようにしておく必要がある。

7/24

旧証明書が失効する日

現行の証明書はこの日に期限切れになる。無停止のサービス継続のため、それまでに更新が完了している必要がある、というのが今回の変更の理由。

4自分は対応が必要か : 判定フロー

あなたの Payments App は 証明書をどう検証している? CN など証明書固有の フィールドを見ている? いいえ(標準 mTLS) 対応不要 同じ CA で署名済み はい(カスタム検証) 要対応 6/15 までに 検証ロジック更新

5対応が必要 / 不要のケース比較

項目標準 mTLS 検証カスタム証明書検証
検証している内容 証明書が信頼する CA のチェーンに連なるか CN(Common Name)など証明書固有のフィールド
新証明書の影響 影響なし 同じ CA 署名なのでそのまま通る 影響あり 固有フィールドが変わると弾く可能性
必要なアクション なし あり 新証明書を受け入れるよう検証を更新
期限 2026年6月15日まで
自分が「標準」か「カスタム」かが曖昧な場合は要確認。CN や証明書のフィンガープリント等を文字列で突き合わせている処理があれば、それはカスタム検証に該当する。

6やるべきこと(カスタム検証の場合)

① 検証ロジックを棚卸し

アプリが証明書のどのフィールド(CN、SAN、その他固有値)を見て判定しているかを洗い出す。

② 新証明書を受け入れるよう更新

新しい証明書でも認証が通るよう検証ロジックを修正する。2026年6月15日までに反映する。

③ 証明書詳細を確認

新旧証明書の具体的な値は、changelog がリンクする「certificate details」を参照する(本記事本文には具体値の記載なし)。

④ 切替前後で疎通を確認

7/24 の旧証明書失効前に、新証明書での認証が想定通り通ることを検証環境で確認しておく。

標準 mTLS 検証(CA チェーンの検証のみ)をしているアプリは、上記いずれの作業も不要。新証明書は同じ CA で署名されるため、ライブの Payments App に影響はない。

7技術者が押さえるべき5つのポイント

mTLS

1. 更新されるのは「Shopify 側のクライアント証明書」

Payments App が「相手が本物の Shopify か」を確認するために使う証明書が対象。アプリ側のサーバ証明書ではない。

CA

2. CA は変わらない=チェーン検証は無傷

新証明書は現行と同じ認証局で署名される。トラストストアの CA に対してチェーン検証しているだけなら自動的に信頼される。

3. 壊れるのは CN / 固有フィールドのハードコード

CN や証明書固有値を直接突き合わせる検証は、新証明書でその値が変わると認証に失敗しうる。これが唯一の要対応パターン。

4. 締切は2段階 : 6/15 と 7/24

6/15 = 新証明書の切替開始かつカスタム検証の対応期限。7/24 = 旧証明書の失効日。無停止運用にはこの順序を踏まえて準備する。

details

5. 具体的な証明書の値は changelog のリンク先で確認

本文は運用上の告知が中心で、CA 名や新旧証明書の具体的なフィールド値は本記事本文には記載なし。詳細は記事がリンクする「certificate details」を参照すること。検証ロジックを CN 依存にしている場合は、その値の差分を必ず実物で確認する。

8業務に活かせる3つのユースケース

旧 cert 新 cert
USE CASE 1

自社 Payments App の「無停止での証明書更新対応」

課題
自社の Payments App が、過去の実装で証明書の CN を直接チェックしている(カスタム検証)。新証明書で CN が変わると 7/24 の失効後に決済が止まりうる。
打ち手
6/15 までに検証ロジックを棚卸しし、新証明書を受け入れるよう更新。あわせて CA チェーン検証ベースへ寄せて将来の更新にも耐えるようにする。
効果
旧証明書失効後も決済処理を無停止で継続。証明書更新のたびの緊急対応を不要にできる。
技術メモ
新旧証明書の具体的なフィールド値は changelog の「certificate details」で確認(本文には記載なし)。検証環境で新証明書の疎通を事前確認する。
USE CASE 2

受託 / 保守先の Payments App 群を横断監査

課題
複数クライアントの Payments App を保守しているが、どれが標準 mTLS でどれがカスタム検証かを把握できていない。6/15 の期限に間に合わないリスク。
打ち手
各アプリの証明書検証コードを横断調査し、CN や固有フィールドへの依存があるものを抽出。要対応リストを作り 6/15 から逆算して対応計画を立てる。
効果
影響範囲を早期に可視化し、決済断のリスクを事前に潰せる。クライアントへの能動的な告知で信頼を獲得。
技術メモ
標準検証(CA チェーンのみ)のアプリは対応不要と切り分けられるので、工数を要対応分に集中できる。
USE CASE 3

証明書ローテーション耐性の恒久的な作り込み

課題
今回のように CA が同じでも証明書本体が更新されるたびに、CN 固定の検証が壊れて緊急対応が発生してしまう構造。
打ち手
CN / フィンガープリント固定の検証をやめ、CA トラストストアに対するチェーン検証を標準とする方針へ恒久移行する。
効果
将来の証明書更新でコード変更が不要になり、運用の属人性と障害リスクを継続的に下げられる。
技術メモ
固有フィールドでの追加制約が業務上必要な場合は、更新頻度の低い項目を選ぶか、設定値として外出しして即時切替できる設計にする。

9提案で使える1行サマリ

「Shopify が Payments App 向けに使う mTLS クライアント証明書を 2026/6/15 から更新(旧証明書は 7/24 失効)。
同じ CA で署名されるので標準 mTLS 検証のアプリは対応不要。
CN など証明書固有フィールドを見るカスタム検証だけ、6/15 までに更新が必要。」